絵画

富山の美術館 ジャン=フランソワ・ミレーとトゥールーズ・ロートレック

 富山というと何を思い浮かべますか? やや地味なイメージですよね。観光で思い浮かぶものと言えば「立山連峰」「黒部ダム」。名物で言うと「薬売り」「鱒(ます)寿司」でしょうか。今回、ご紹介するのは富山市と高岡市の美術館。ん~、ますますイメージがわかないかも?

富山駅到着

北陸新幹線があるので東京から最速で2時間10分ほど。新幹線は早いですね
新幹線駅の構内にはます寿司の自動販売機が。さすが
新幹線が開通して大幅にリニューアルした富山駅
市内の主な場所には路面電車が活躍します

「ギャルリ・ミレー」バルビゾン派のこじんまりした美術館

 富山市内にはアーケード街があり1つは「総曲輪(そうがわ)通り」もう一つは「中央通り」。総曲輪通りは全長300mほど。中央通りは500m近くある。天井には屋根もあり天候が悪くても傘なしで歩ける商店街。

昔は栄えた通りだったが最近は車で行き来できる郊外型の店舗に人が集まるようになり、この辺りもあまり人通りは多くないですね。

この2つのアーケード街、ネーミングからすると中央通りの方が栄えていそうだが、然に非ず。総曲輪通りはいくつも店舗があるものの、中央通りの方はよく言えば再開発中。悪く言えばシャッター通り(今のところ)。

この中央通りを路面電車の停車駅から300mほど進んだところに唐突に美術館があるのだ。その名も「ギャルリ・ミレー」。フランスで栄えた絵画の一派、バルビゾン派のジャン=フランソワ・ミレーを中心に展示している美術館。

入館料はなんと300円!
美術館前にはミレーの代表作(複製)が展示されている。ちなみに年に1回、6月に展示内容を変えるそうだ。入口にはバルビゾン派の作品が(これは複製)。館内は撮影禁止です
チケットにはこの美術館の目玉「羊の毛を刈る女」 国内外にも貸し出される名品

高岡市美術館「ロートレックとベル・エポックPARIS-1900年」

 高岡市の中心地は新幹線の新高岡駅ではなく、地域の第三セクター路線「あいの風とやま鉄道」の高岡駅周辺。この路線は、元々JR西日本でしたが、新幹線の開通とともに第三セクターへ。新高岡駅と高岡駅、この二つの駅ができた経緯はいろいろあるが、説明すると長くなるので興味のある方はググってください。高岡駅は富山駅から20分ほどの距離。本数が1時間に3本程度。

あいの風富山鉄道「高岡駅」。新幹線が止まる新高岡駅はここから約2㎞離れている

 目的地の高岡市美術館は高岡駅から約1.5㎞です。9月16日まで「ロートレックとベル・エポック展」をやっております。ベル・エポックというのは直訳すると美しい時代となる。19世紀末ごろのパリの華やかな時代を指して言うそうです。この時代、印象派やアールヌーボーが流行った時代。象徴的なのはモネ、ドガ、ロートレック、ミュシャなどが有名ですね。

 今回はロートレックやミュシャなどポスターやリトグラフなどグラフィックデザインを中心に展示されていました。しかも今回はすべて撮影可、という寛大なご対応。

駅から高岡市美術館までは約1.5㎞ほど。駅前の観光案内所でレンタル自転車を借りました(300円/1日)。同日開催で「藤子・F・不二雄」展も。藤子・F・不二雄はここ高岡市出身。でも時間の関係でこちらは見なかった…
ロートレックとベル・エポック展チケット
ディヴァン・ジャポネ(トゥールーズ・ロートレック)
マルセル・ランデール嬢の胸像(トゥールーズ・ロートレック)
エグランティーヌ嬢一座(トゥールーズ・ロートレック)
虹(ジュール・シェレ)
アペリティフ ミュニエ(ジュール・シェレ)
サロメ(アルフォンス・ミュシャ)

高岡市の見どころ

高岡大仏

奈良の大仏(廬舎那仏座像“るしゃなぶつざぞう”)、鎌倉大仏(阿弥陀如来座物)に加えられる日本三大大仏と言われている。が、実は3つ目の大仏は高岡大仏だけではなく岐阜大仏、東京大仏なども挙げられていて、定義がはっきりしていないようです

瑞龍寺(国宝)

1614年(慶長19年)、前田藩前田家3代目当主、前田利常が建立。江戸時代初期ですね。1997年に国宝に指定されています
総門
山門
仏殿
仏殿をぐるりと取り巻く回廊
「お風呂」の神様
台所と韋駄天
ご本尊様(手振れですみません…)

 実際に見に行くとわかるのですが国宝と言うだけあって、きれいに整備され、荘厳なお寺です。こんな立派なお寺が高岡にあるとは。高岡市はこのお寺についてもっとPRした方が良いのではなかろうか。寺院に強い関心が無い私でもこれほど感じ入るのだから、より興味がある人や、海外からの観光客などからすれば、かなりポイント高めに感じる。日本各地、例えば京都など、たくさんのお寺があるが、その中でも瑞龍寺はかなり立派なお寺に見える。もう少し世間に知られていいような。それほど古くて立派できれいに整備されたお寺。認知度が高くないせいか拝観者も少なく、おかげでゆっくり見ることができました。

ABOUT ME
なんべぇ
ハンドルネーム:なんべぇ 本業はフリーのスポーツイベントディレクター。北陸出身。すでに還暦を迎えた70年代の洋楽好き。仕事で日本各地の出張が多い。これまで訪れたのは42都道府県。仕事で行った先のお話も盛り込んでいきたいと思っています。最近は西洋絵画にハマっています。