最初のエイリアンが見たいな~と思いつつ、ようやく先日見ることができた。最新作の「ロムルス」を見てから初回作をずっと見たかったのだ。
宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない
もはや説明の余地はないだろうが、この映画は主人公のエレン・リプリー演じるシガニーウィーバーの出世作。当時、彼女はほぼ無名だったというからこの作品はまさに運命的な出会いと言うことになる。またタイトル名の”Alian(エイリアン)”はもともと外国人、異邦人を意味するがその言葉に「宇宙人」という意味を加えられ、今ではどちらかと宇宙人の意味が強いように思う。ましてや外国人にエイリアンと言ったら怒られるだろう。それほど社会的に影響力が大きい超大作である。エイリアンシリーズ最初の映画のキャッチコピーは「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない。(In space no one can hear you scream)」。
エイリアンというキャラクター
エイリアンの生態も独特。人の顔に張り付いて(あれはフェイスハガー”Facehuger”と言うらしい)体内に寄生したうえに昆虫のごとく変態し、人体を突き破って外に出て次々人を襲うなど、これまでになかった発想。しかもエイリアンの体液は強い酸性を帯びていて人体はもちろん金属も溶かしてしまう。エイリアンを攻撃するのも容易ではない。いったいどこからこれらのヒントを得たのだろうか。今後、SF映画においてこれほど強いキャラクターはそう簡単には生まれないだろう。
見て思ったのは自分ではだいたいストーリーを覚えていると思い込んでいたが、予想外に忘れているものだな、ということ。冒頭シーンから最初に幼獣(というのか?)に取りつかれて船内に運び込まれるあたりまではほとんど覚えていなかったことに驚いてしまった。そして記念すべき(?)シリーズ最初の犠牲者はケイン副長。ここから閉鎖された宇宙船内で人間が次々と襲われ、最後にはリプリーと猫だけが残されてしまう。
改めて見て少々時代を感じた
喫煙シーン
最初に感じたのはとにかく喫煙シーンが多いこと。主人公のリプリーだけではなく船員には喫煙者が目についた。閉ざされた宇宙船で貴重な空気をわざわざ汚す喫煙は無いだろうと思う。今の時代、たばこの存在自体に嫌悪感があるのでまず使われないシーンだろう。
コンピュータがいかにも古そう
エイリアンの出現からメインコンピュータにアクセスして現況を見極めようとするのだが、今となってはなかなかお目にかかれないグリーン文字だけのディスプレイ。キーボードもなんだか時代を感じるし、現代のパソコンでももう少し気の利いた反応があってもよさそう。とはいえ映画製作当時は1979年であり、アポロ11号が月面着陸してから10年しか経っていない。2024年の現代でも100年後の2122年を想定しろと言われたらなかなか難しいのだが…。その割には知的なアンドロイドという相当難易度が高そうなものが登場する。
宇宙服があまり変わっていない
おそらく2122年にもなって宇宙に出る機会が増えているのであれば宇宙服はもう少しスリムで動きやすいもの、機能的なものになっていてもおかしくない。
(粗探しみたいになってしまったが本当に好きな映画の一つです)
エイリアンは映画界の一大カテゴリー
ストーリーでは母船もろともエイリアンを爆破して脱出艇で逃れた後、再びエイリアンと対決する。後で知ったことだがお話が全部解決して「あ~よかった」と思わせた後にもう一幕ある、というこの手法。今ではわりとある展開だが実はこの作品が後のホラー映画に大きな影響を与えたようだ。
映画界で一つの大きなカテゴリーを築いたといってもおかしくないエイリアン。きっとまたロムルス続編が作られるでしょう。
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