地球外生命体についてYouTubeやネット検索をするとものすごい量の情報が出てくる。地球外生命体がいるのかいないのか、ということはもちろん、人類は彼らと会うことができるのか、地球にやってくることはあるのか。出会った時の対処法まで出しているものがある。あるいはすでに地球を訪れている、果ては生命の源である海に昆虫が少ないのは元々昆虫が宇宙からやってきたからである、などなど。いろいろ夢とロマンを与えてくれる話ではある。
一方で小説や映画の世界において、多くの場合、地球外生命体(宇宙人)は人類にとっては脅威なのだ。H・G・ウエルズが1898年に発表した「宇宙大戦争」などはいわばその元祖。火星から宇宙人が攻めてきて地球を支配しようとする。1938年にこの小説の舞台をアメリカという設定にしてラジオ放送したら本物のニュースと勘違いして全米各地でパニックが起こった。
友好的な宇宙人として思い浮かぶのは「E・T」だろうか。あるいは「スターマン」というのも一応、宇宙人だがこれはどちらかと言うとラブロマンス映画。
エイリアンの初登場からすでに半世紀
地球外生命体「エイリアン」が最初に登場したのが1979年。すでに半世紀近く前ということになる。最初の「エイリアン」をいつどこで見たのかも記憶にない。ただひたすら衝撃的だったのだけは覚えている。その後のエイリアンはエイリアン2~4が続編、さらにプレデターとのコラボ作品なども作られ、今回の「エイリアン:ロムルス」に至るまで7作も作られている。多分、全部見たがどの作品がどういう話だったかは正確には覚えていない。ただどれも面白かった、という印象。
期待を外さない「ロムルス」
では今回の「ロムルス」はどうだったかというと、やっぱり面白かった。面白かったというよりも安心できたという感じ。SFホラーで安心というのも変な表現だが、決して期待を外すようなところはなかった、と言う意味。
ただこの期待通り、と言うところでいうといくつもの場面で「いつか見た風景」がちょいちょい出てくるのが気になった。最初はあまり気づかなかったが仲間が一人、二人と消されていくあたりから、なんとなくそこまでの経緯と風景から「あーこの人は生きて帰れないんだな」という予想がついてくる。熱烈なファンにしてみるとカルト的な楽しみ方もできるようになるのだろうけど。
そういう意味で想定外がなかった。またこの続編が作られるのだろうか。そうだとすれば無限ループにならないだろうか。そろそろエイリアンはネタ切れなのではないか。あまり作りすぎると期待外れを作りそうでなんだかもったいない。
新たなエイリアンの展開を望む
エイリアンの別バージョンを作るとするならば、毎回登場するアンドロイドに焦点を当てるのはどうだろうか。これまで幾度となく登場してはあまりスポットライトが当たることなく終わる。アンドロイドがどういう目的で常にストーリーに登場するのかが今一つ説明不足だし、「実はこうだった」みたいな話が展開出来たらちょっと変わった展開になるように思えるのだが。少々スピンオフ映画みたいになるかもしれないが、今までとは違った展開が楽しめそう、と思うのは私だけか。新たな展開を望みたい。