このところ、コロナの期間もあって10年以上アメリカに行っていない。当時、特に危ない目に合ったこともなく、また嫌な思い出もない。ただ当たり前だが日本とはずいぶん違うんだなぁ、ということはいくつも感じた。いつも滞在期間は1週間程度なのでそれほど濃厚な体験もできないのだがそれでも印象に残ったことはいくつかあった。
全部思い出せないが印象に残った良いところ、悪いところを5つずつ挙げてみた。
※当時の円相場は1ドル=110円ぐらいでした。
良いところ5選
コーヒーがお代わり自由
値段も安いがどこのレストランに行ってもお代わりを勧められた。もちろん1杯分の値段で何杯でもOK。ただどちらかというと味は薄目。だからこそ何杯でも飲めるという感じもする。
他人の目を気にしない
アメリカにいるとアジア人である自分はもっと目立つのかと思ったがほとんど目立たない。というか、誰も気にしない。
チリビーンズがおいしい
食べ物に好き嫌いもなく、なんでも美味しく食べてしまう質なのだが、このチリビーンズは日本のものよりも格段においしいと思う。チリビーンズ、ハンバーガー、ピザなどジャンクな食べ物は日本と比較して味が濃厚で油分が多いようで、その分、おいしいと感じるのかもしれない。日本に来たアメリカ人に小豆でつくった餡子が甘いと脳がバグるそうだが、アメリカでチリビーンズを食べ慣れてしまうとそうなるかも。
ブロードウェイミュージカル
やっぱり本場は違う。
おおむね夕方以降から上演され、観客は普段着でラフなスタイルの人もいるが正装している人も目につく。おそらくステージが終わったのち、どこかに食事に行くなども兼ねているのだろう。
私が見たのは「ウエスト・サイド・ストーリー」。演目が有名どころということもあってか何度も見に来ている風な人、主人公が亡くなるシーンで涙する人様々。終わればスタンディングオベーションである。ステージ下にはオーケストラ楽団がいてそれぞれのシーンと音楽を合わせていく。日本の伝統芸能とは少し違うが、アメリカにとっての伝統芸能なのだろうという気がした。
いろんな意味で寛容
すべてに言えることだがいろんな意味で寛容。一番わかりやすいのが時間。日本では1分1秒を合わせようとするが、アメリカでは5分ぐらいの誤差は当たり前。だいたい遅れる。かと思いきや、お店やレストランなどで5分~10分早く終わるところもある。
ルールもあるような無いような。例えば昔の国際線はReconfirm(リコンファーム)というルールがあって航空会社に「明日、間違いなく飛行機乗ります」という事前連絡が必要だった。これをやらないと最悪キャンセルになる。ところが以前、アメリカから日本に戻る便で同行した人がこれをやらなかった。空港カウンターに行くと案の定、私も含めてキャンセル扱いに。「Reconfirmはやったか?」と乗務員に聞かれたので「やったよ」とシラばっくれたら、ちょっと待ってね、と言われ案内されたのが30分後の別会社便。しかもどういうわけかビジネス席だった、というオチ。これが日本だったらどうなっていたのだろう?
悪いところ5選
犯罪が多い
これはよく知られていますよね。スリ、置き引きはもちろん、強盗など凶悪なものも含めて日本とは比べ物にならないほど多い。幸い、私自身、危ない目に合ったことはないし、スリや置き引きの被害もないが、そういう場面は目する。例えばニューヨークのJFK空港だとまず出会うのが白タクの勧誘。巧みに日本語で話しかけてきて誘われるままについていくと概ね白タクだと思っていい。そのほか観光地では「一緒に写真撮ろう!」と誘い、写真を撮ると「じゃあ、20ドルで!」と言われる(らしい)。またニューヨークの地下鉄ホームに行くと「夜間はここで電車を待ってください」という看板。これは夜間にホームの端に一人でいると犯罪に巻き込まれる可能性があるのでここで固まっていてください、という意味。看板付近に警察官もいるので安全というわけだ。
以前に比べるとニューヨークも安全になったそうで、以前は例えばタイムズスクエアあたりは麻薬の売人や売春婦がうろうろしていてあたりにはポルノショップもたくさんあったそうだ。いまではそういう雰囲気はほとんどないし、23時ごろでも人がたくさんいる。ただ日付が変わるあたりでばったり人が少なくなるのでご注意を。
パスタがまずい
前述のように、私は好き嫌いなく何でも食べるのだが、アメリカで食べるパスタは美味しいと思ったことが一度もない。まず麺が茹ですぎ。ぶよぶよで柔らかいのだ。さらに味が薄い。概ね、アメリカでミートソースパスタを頼むとミートボールが4つぐらい乗せたものになるがこれがどういうわけか味が薄い。自分で味付けする、という風習なのかもしれないが、とにかく美味しくない。聞くところによるとアメリカではイタリア人が経営するレストランでないとパスタは美味しくないらしい。納得。
チップ制度
これが面倒ください。レストラン、ホテル、タクシーなどなんでもチップが必要。マクドナルドや小売店など自分がカウンターで受け取る店舗では必要ないが、どこのどんなシーンでもチップが必要だと思っていい。ホテルのベッドメイクやタクシーなどは1~2ドル程度だがレストランでは15~20%ぐらい必要。しかも例えばホテルでベッドメイキングのチップを1セント硬貨でジャラジャラと枕の下に置いても持っていかない。1ドル札で置くか、精々50セント硬貨と25セント硬貨を組み合わせたぐらい。
また最近のレストランでは会計を現金で払うよりもカードで払うことが多いが、この際のカードの書き方を知らないと面倒なことになる。日本だと「外国人だからしょうがないなぁ」と親切に教えてくれるところもあるが、アメリカではこういうことを親切に教えてくれる人はあまりいないので事前にレシートの書き方を知っておいた方が良い。
関連記事:アメリカのチップ制度
ショップ、レストランの態度
全部が全部、というわけではないが…。国際線で食事を配る際にも仏頂面。スーパーでものを買っても面倒くさそうに会計。仮にクレームを言ってもまともに取り合ってくれるかどうか、という雰囲気。アメリカの接客態度が悪いというよりも日本の接客態度、サービス精神が良すぎる、という側面はあるが…。
ここはもはやお国柄、とあきらめるしかないが、仮になにか言わなければいけないことがあるならば、下手な英語でも自己主張しておくこと。
ぼったくり
犯罪、というほどではないがアメリカに限らず、海外にいるとたまにこの場面に合う。例えばタクシーでメーターを動かさないで発車する、レストランでは頼んでいないものが来る、あるいは頼んだものが来ない、など。一度、露店でペットボトルの水を買ったら「2ドル!」と言われ、その時は何も考えずにそのまま払ったのだが、よーく考えてみるといつも1ドルだったと思いだした。まあ、これなどカワイイ方だろう。
おそらくこちらを旅行者、外国人と見切ってそういうことをやるのだろう。彼ら自身も犯罪だと思わず、少々からかってやった、くらいにしか思っていないように思う。まあ、旅行にでればこのぐらいの教習代は必要かもしれないが、防衛策として例えばタクシーであれば乗る前に事前に料金を聞く、レストランであればチェック前にレシートを確認する、などは必要。こういうものも含めて旅行を楽しまないといけないのだろうけど、日本ではあまりないことなので初めて経験するとがっかりするかもしれない。
以上、今現在で思いつく内容。本当はもっといろいろあったような気がする。海外に行くといろんなことが起こるし、必ずしも有益なことばかりではないが、それが「非日常」なので楽しい。また機会があればアメリカには行きたいな。
料理がおいしいくない国の代表格 イギリス