音楽

エアロスミス 温故知新Vol.7 文字通り「ライブ感」満載! 

Live!Bootleg(邦題:ライブ! ブートレッグ) 1978年

個人的に好きなライブアルバムを3つ挙げろと言われると以下になる。

・Love you live ローリングストーンズ 1977年

・Full house    J・ガイルズバンド  1972年

・Live! Bootleg エアロスミス    1978年

 エアロスミスのLive Bootlegは1977年から1978年にかけて行われたアメリカツアーの音源をもとに構成された。プロデューサーはジャック・ダグラス。この頃、ライブをラジオ生放送すると同時に録音もされていたもの。

 タイトルを「Bootleg」としたのは、当時、海賊版が横行していてあえてその海賊版を意識した形をとった、という。そのためジャケットタイトルや曲目の印刷にはあえてズレたスタンプ風なものを使い、コーヒーのシミをつけ、レコードを包む中ジャケットには安っぽいタイプ打ちを思わせる印字など、それらしく仕上げられた。

 ジョー・ペリーは「レコード会社(当時はコロンビア)が求めたクリーンなサウンド、きれいに加工されたライブアルバムではなく、本当のライブアルバムを作りたかった」という理由でノイズを残した。またスティーブン・タイラーも「このアルバムはバンドの求めるもの、サウンドを反映している」としている。また中ジャケットの各曲目には彼らからのメッセージも記されている(以下、要約)。

1.Back in the saddle(1977年7月4日 インディアナ州インディアナポリス)

絶倫カウボーイソング。サイコーのバージョンを探し出した。

2.Sweet emotion(1978年3月23日 イリノイ州シカゴ)

シンセサイザーなんて使わずにぶっ壊れたギターを使った。痛めつけたストラトが良い音出してる。

3.Lord of the things(1978年3月23日 イリノイ州シカゴ)

スタジオバージョンよりも少し早いが、それがライブ!

4.Toys in the attic(1978年3月28日 マサチューセッツ州ボストン)

バンドの心境を歌った、俺たちのメッセージソング

5.Last child(1978年8月9日 マサチューセッツ州ボストン)

ボストンにあるパラダイスクラブからの曲

6.Come together(1978年8月21日 マサチューセッツ州ウォルサム)

どこかのライブハウスで録音されたもの。このライブは極秘なので誰も見ていない

7.Walk this way(1978年4月2日 ミシガン州デトロイト)

俺たちのシングルの中で最も成功した。今でもこの曲を好んで演奏する

8.Sick as a dog(1977年7月4日 インディアナ州インディアナポリス)

これまでヤッたすべての女性へ

9.Dream on(1977年7月3日 ケンタッキー州ルイビル)

これぞ本当の安らぎ

10.Chip away the stone(1978年4月8日 カリフォルニア州サンタモニカ)

この曲を演った最初のステージ

11.Sight for sore eyes(1978年2月24日 オハイオ州コロンバス)

アルバム“Draw the line”からのお気に入りの曲

12.Mama Kin ~ 13.S.O.S.(1977年7月4日 インディアナ州インディアナポリス)

自分たちの初期のお気に入りのナンバー。協力してくれたみんなに感謝!

14.I ain’t got you ~ 15.Mother popcorn(1973年4月23日 マサチューセッツ州ボストン)

1973年にポールズモールで行ったライブから。音質はよくなかったが他の海賊版に負けたくなかった!

16.Draw the line(1978年3月26日 ペンシルベニア州フィラデルフィア)

(ノーコメント)※この曲はアルバム内では隠しナンバー

17.Train kept a rollin‘(~Stranger in the night)(1978年4月2日 ミシガン州デトロイト)

言わずもがなの“Loud and fast!”

 このライブアルバムの貴重な曲としては、当時スタジオ版が未発売だった「Chip away the stone」が初収録と言う点。また映画「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」で演奏された「Come together」のライブ版が入っている点。またかなり初期のライブ「I ain’t got you ~ Mother popcorn」も味があって良い。

 こういうライブ盤を聴くと、彼らがスタジオに籠って音楽を作るよりもステージで動き回ってライブ活動に軸足を置くバンドであることが改めて確認できる。内情ではこの頃のバンド内部ではいろいろあって困難を迎えつつある時期ではあるが、彼らも若くてライブそのものもパワーを感じさせる。

参考:Wikipedia

エアロスミス 温故知新Vol.8
エアロスミス 温故知新Vol.6

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