音楽

エアロスミス 温故知新Vol.1 「鮮烈のデビュー」と言いたいところだが…。市場評価は散々。

 とうとう来たか。

スティーブン・タイラーの声の調子が戻らず、ツアー引退。年齢も関係しているのだろうけど、誰でも80歳近くになってステージで走り回れるはずもなし。まだ「解散」となったわけではないけど、バンドがこれだけ長く続くこと自体、奇跡的。

というわけで(どういうわけ?)オリジナルアルバムを一枚ずつ振り返ってみたいと思う。

Aerosmith(邦題:野獣生誕) 1973年

 記念すべき、と言いたいところだが、実は発売当初、評判が悪かった。エアロスミスのファーストアルバムにそんなことがあって良いハズないが、ローリングストーン誌にも無視され、「ただうるさいだけ」「くそみたいな音楽」など散々。

 そんな中で”Dream on”だけはようやくシングルカットされ、アルバムジャケットの表紙にもFeaturing “Dream on”と記され、その後もライヴ等で長く使われることになる。

8曲全部合わせても35分足らず。今の感覚からするとアルバムの尺としては、めちゃ短い。

1.Make it

 なんだかメンバー全員で合わせようと必死さが伝わってきますね。たまにリズムが狂っていたりリードギターがフラットしていたり。この曲、ジョー・ペリーとブラッド・ウイットフォードが交互にリードを弾いているのだろうけど、双方の音量バランスが合っていないのをそのままにしたのはどういうわけだろう。

2.Somebody

 始めてこの曲を聞いたとき、4小節ほどリードギターの入りを忘れたのかと思った。でもリードギターとヴォーカルのツインリードがなかなか良い。その後のライヴでも時々この曲はやる。

3.Dream on

 このアルバムの看板曲というだけではなく、その後のエアロスミスにはなくてはならない曲。この曲だけはスティーブン・タイラーのヴォーカルも「らしく」なっている。曲の構成、リードギターなどなどほかの曲にはない力の入れ様。

4.One way street

 収録された曲の中では最も長尺(7分強)。あまりメジャーな曲ではないが個人的にはわりと好きな曲。アメリカンファンキーという感じでノリが良い。スティーブン・タイラーのハーモニカも良い味出している。この曲もリードギターの音量バランスが良くないなぁ。まさかアルバム通して一発撮りしてない?

5.Mama Kin

 この曲はスティーブン・タイラーお気に入りの曲だそう。彼の腕には“MA KIN”というタトゥーも入っている。歌詞もエアロスミスらしくエロい。この曲もライヴではよく演奏され、またいろんなバンドにカヴァーされている。CDになってからはA面B面の区別がなくなったがレコード時代はこの曲がB面1曲目。つまり全曲の中で比較的メジャーな位置付け。

6.Write me a letter

 人によって好き嫌いはあるでしょうけど、なかなか評価が難しい曲。まあ、普通であればアルバムには入らないでしょう。

7.Movin‘ out

 曲はスティーブン・タイラーとジョー・ペリーのコンビ作。なるほど聞くとギターパートに力が入っている。でも相変わらずギターがフラットしている(w)。もう少し構成に力を入れてほしかったな。

8.Walkin’ the dog

アメリカのソウル歌手、ルーファス・トーマスのカバー曲。この曲を使うところにも表れているがエアロスミスの源流はR&Bと言って良い。もちろんハードロック、カントリーミュージックといった要素で補いつつもその後の曲でもブラックミュージック、R&Bを根底に構成されている。この曲はそんな意味でも深い。

アルバム全体通して感じるのは今の重厚な音と違って薄っぺらな感じは否めないが、彼らの源流みたいなものは十分感じられる。このアルバムが無ければエアロスミスはあり得なかったわけで、内容以上に貴重なアルバムですね。

エアロスミス 温故知新Vol.2

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なんべぇ
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