家の近所をジョグする。もうかれこれ20年ぐらい続いている。川沿いの遊歩道をメインに走っているのだが、この時期(2月)でもわずかに花が咲いている。こんな寒い時期でも花が咲くものだなぁ、となんとなく眺めてはいるが、実は花の名前はあまり知らないので普段は素通り。
以前、イギリスから来た知り合いが「日本は冬でも花が咲くのですね」と珍しがられたのを覚えている。花が咲くからには受粉が目的だろうけど、冬は昆虫も少ないし植物が花を咲かせるメリットはあるのかな、と思い、調べてみた。実は冬でも少なからず昆虫は活動するし、受粉媒体の中には鳥もある。また春以降、多くの植物が花を咲かせるが、冬は咲く花も少なく、受粉の競争相手が少なくて済むというメリットもあるようだ。
今回は気づいた花の写真を撮ってみた。今はgoogleのレンズ機能を使うとそのまま検索できる。実に便利な時代になった。
梅
この時期、例年満開になるのが梅。近所に白梅。少し離れたところにはピンク色も。桜ほど派手な咲き方ではないが、控えめな咲き方がいかにも日本的。梅が咲き始めてもすぐに春は来ないが、あと数回、寒さの底を見れば春なんだなぁという感覚になる。
原産地は中国だが日本には弥生時代からあるという説もある。花を愛でるだけではなく、果実は梅干しと、もはや日本にはなくてはならない樹木の一つですね。
キンセンカ(カレンデュラ)
名前は聞いたことあるがあまり知らなかった。調べてみてこんな花だったのかと初めて知った。英名の「カレンデュラ」はカレンダーの語源。葉は食用でもあり、ハーブとして使われることもある。
つばき
この時期にはよく見かけますね。花が散るときは、はらはらと散るのではなく、丸ごと「ぼとっ」と落ちることから、首が落ちるように見えるので、武士には不吉な花と見られていた。実からとれる油が椿油。花の根元から甘い蜜を吸うこともできる。花自体も食用で天ぷらにすることもある。
ツルニチニチソウ
ヨーロッパや北アメリカ原産。本来は3月以降に花を咲かせるようだが、昨今の温暖化のため(?)か、咲いていた。日本では帰化植物とされている。日陰や病害虫にも強いので観賞用としては最適だが、植えるには注意が必要。繁殖力が強く、きちんと管理しないとあっという間に勢力を伸ばしていく。剪定しても落ちた弦から根を伸ばしていく生命力がある。これを食べる人はいないだろうけど、毒を持っているのでペットなどが口にしないように注意も必要。
パンジー
ある程度の年代以降の方であれば、この花はよく見かけただろう。世間に流行りの花、というのがあるかはわからないが、この花は小坂明子さんのヒット曲「あなた」にも歌われ、一世を風靡した。当時はどの庭にもあったように思う。この花が流行ったころはパンダが日本に来た頃であり、パンダとパンジー、よく似た名前だなぁ、と子供心に思ったのも記憶に残っている。黄色と黒のコントラストが印象的。サンシキスミレの亜種で、17世紀に人工交配から生まれた。
ビオラ
スミレ科の植物でなんと先に紹介したパンジーと同種。おおむね5センチ以上をパンジー、それより小さいとビオラと言うそうである(知らなかった!)。
パンジーも同様だが原産地がヨーロッパということもあってか、寒いこの時期でもよく花を咲かせる。むしろ暑さに弱いので秋から植えて楽しむことが多い。
ボケ
古くから日本にあるバラ科の植物。平安時代に中国から渡ってきて帰化した。この花と実の断面図が家紋「木瓜紋」になったとも言われている(諸説ありますが)。実は薬用としても用いられ、果樹酒にもなる。
水仙
学名はナルシッソス(Narcissus)。ギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスに由来する名前ですね。その物語の由来からナルシストに転化していく。この水仙、花にも葉にも毒がある。厄介なのは葉がニラに似ていることから誤って食べてしまい、毎年のように、食中毒を発生させている。ぜひご注意を。
寒菊
アブラギクから作られた園芸品種。広義では冬に咲く菊を寒菊ともいう。写真は少し枯れてきていたので本当は1月ごろが見ごろなのだろう。菊は種類によっては管理が難しいようで、難しいだけに凝っている人は非常にハマる花らしい。特に大きくなるとより難易度が高くなるという。この菊は小ぶりなので比較的手入れしやすいのではなかろうか。
このほかユキヤナギが開花し始めていた。ユキヤナギは3月中旬ごろが満開になるが、この時期でもちらほら咲いていた。いろいろ調べながら紹介したが調べだすときりがないので、今回はこの辺で。