絵画

バンクシーの版画展 現代アートの価値観とは

 先日、横浜市のみなとみらいから赤レンガ倉庫あたりを散歩していたら「バンクシー版画展」なるもののポスターを発見。

 版画? バンクシーって街中にゲリラ的に落書きする「ストリートアーティスト」と呼ばれているのですよね、それが版画になっているというのはどういうものなのだろうと思いつつ、会場となっている赤レンガ倉庫1番館の2Fへ。

版画の即売会でした

 行ってみてわかったのですが、要するにこれまであちこちで描かれたバンクシーの絵を版画にしたオリジナル商品の即売会でした。そうなのです、全部売り物。入場は無料。今年の1月に広島から始まり、鹿児島、石川、盛岡、群馬、宮城、東京まで開催済み。現在が神奈川で6月3日まで。このあと愛知、大分、富山で順次開催するようです。

 入口で「この催し物をどのようにして知ったか」ということを聞かれた後、見学者用のIDを渡される。それを首からぶら下げていざ入場。平日の昼過ぎだったが割と入場者が多く、中には日本へ旅行しに来ていた風な海外の方も。販売のスタッフさんもいて、質問を受けたり作品の説明をしたりしていた。ちなみに会場内は撮影禁止。

 ざっと見ていると「あーこれ見たことあるわ」という作品がいくつもある。サザビーズで切り刻まれて有名になった赤いハートの風船と少女の作品もありますね(もちろん、切り刻まれていません)。

「ケイトモス」と「テスコ・バリュー・スープ缶」

 私が気に入ったのは「ケイトモス」と「テスコ・バリュー・スープ缶」。それぞれ3種類のカラーバリエーションがあり、どちらもアンディー・ウォーホルの「マリリン・モンロー」と「キャンベルスープ缶」をオマージュした作品。アンディー・ウォーホルは好きなので、この2枚は欲しいなぁ。

 2枚は並べて展示されていたのでずっとこの前で眺めていたら、やってきましたスタッフさん。「気に入った作品はありますか」と聞かれたので「この2枚が」と。話によると広島では「テスコ・バリュー・スープ缶」の各色1枚ずつ計3枚を購入した人がいるとか。はっきり値段は覚えていないが3枚買うと70万円ぐらいだったと思う。

果たして高いのか安いのか…。

 お値段は物やサイズによって違いはあるものの、安いものだと20万円台。全部の値段は覚えていないが100万ぐらいのもあったと思う。う~む、この価格を妥当と見るべきかどうか。有名な画家であれば高額というのもわかるが、金額とのバランスで言うと

・あのバンクシー作品という点

・それが版画になっているという点

 これらを勘案して1枚20万~30万。これを高いと思うか安いと思うか。シルクスクリーンも現代ポップアートとして立派に確立しているのはわかるが…。聞くとそれぞれ裏にシリアル番号が入っているようで、怪しい作品ではなさそう。ただ、これら「版画」がバンクシー本人とどういう関係なのか、そこまで説明を聞く勇気が無く、スゴスゴと会場を後にしたのでした。

ABOUT ME
なんべぇ
ハンドルネーム:なんべぇ 本業はフリーのスポーツイベントディレクター。北陸出身。すでに還暦を迎えた70年代の洋楽好き。仕事で日本各地の出張が多い。これまで訪れたのは42都道府県。仕事で行った先のお話も盛り込んでいきたいと思っています。最近は西洋絵画にハマっています。