映画

今や夏の風物詩。夏休みの恐竜展は映画「ジュラシック・パーク」起源説

いつの頃からか、夏になると「恐竜展」なるものが開催されるようになった。いつ頃からかわからないが、夏の風物詩のようになっている。展示内容は小学生ぐらいの親子連れをターゲットにしたものが多いが、かなり専門的なものが多く、大人が見ても「へぇー」と思わせるものも多い。特に10歳ぐらいまでの子供は一つのことに興味を示すととことん極める子もいるので知識は大人顔負け、という場合も。まあ、なんでも興味を持って調べる、というのは悪いことではない。大人にしてみれば下手にゲームやスマホ漬けになるよりは良いかな、と思ってしまう。

30年前でこの完成度「ジュラシック・パーク」

 映画「ジュラシック・パーク」が公開されたのが1993年7月のこと。30年も前になるのですね。夏に公開されたわけだが、もしかしたら「夏になったら恐竜展」というきっかけを作ったのでは、と勝手に想像してしまう。「夏休み映画」という要素もあると思うが、その後のシリーズも概ね7月か8月に公開されている。

 1作目「ジュラシック・パーク」を見たときは本当に驚いた。とにかく臨場感があった。いま見てもリアリティがある。この映画はCGとアニマトロニクスという生物を演出するロボットが多用されている。これが本当によくできていて本物の恐竜が目の前にいればこんな動きをするだろう、というリアリティがある。

 さらにストーリーもよかった。小説「ジュラシック・パーク」を題材に作られているが、細かい場面でギリギリ危機を回避するようなシーンが盛りだくさんで恐竜との駆け引きも見ている方をワクワクさせる。琥珀に覆われた蚊に含まれる恐竜の血液から遺伝子を取り出す、なんていうのは実際にあっても良さそうな話で見ている側を納得させる。物語の中心に子供のキャラクターを置いたことで単なるSF映画ではなく、映画「E.T」にも通じるファンタジー要素も醸し出している。恐竜博同様、大人もワクワクできる映画。小説は読んでいないが、映画としては秀悦。今後、恐竜映画が作られるとすれば、結局この映画のコピーのような形になるのだろう。さすがスピルバーグ監督ですね。

ディテールにこだわる制作

 映画はこの後、全部で6本制作されるが、やはり最初の1本目のインパクトは強烈。これまでの恐竜や怪獣といった類の映画は見知らぬ場所に行ったら恐竜王国だった、みたいなものが多かったが、人間自ら恐竜を作り出してテーマパークを作る、などという発想が奇想天外すぎる。そしてこの映画、シリーズで見ていくとわかるのだが恐竜の作りが丁寧なのだ。例えば1本目ではティラノサウルスはいわゆる恐竜的な肌感覚で作られているが、その後の研究で恐竜にも羽毛らしきものがあった、という学説が有力になるとティラノサウルスにもちゃんと羽毛が施されている。こういうところはきっと恐竜に詳しい子供たちは見逃さないだろうから、作る側もディテールを大事にしているのだろうな、と思う。

 さて、今後続編は作られるのだろうか。そろそろ話しの展開としてやり尽くしている感もある。あまり続編で引き伸ばしすぎると変な方向に行きそう。

できれば不朽の名作はそのままで。

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なんべぇ
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