新型コロナウイルス(COVID-19)というウイルスが世界で蔓延し始めている、というニュースが出始めたのは2019年の12月ごろだったと記憶している。この頃はまだまだ遠い国の出来事ぐらいの気持ちでいたが、2020年の年明けに国内で感染者が出たという報道、著名人の感染、死亡というニュースから国内でも一気に危機感が高まった。今から思えばこの頃すでに国内でも半ばパニック状態になっていたと思う。例えばパチンコ店が悪者になりあちこちで休業。その後、飲食店が休業となり、一般企業でも在宅勤務が行われるようになった。街中は人が閑散として電車もガラガラ。都心に人が集中しているためにそれだけ感染率も高く、都心から地方への移動も制限された。お店からはマスク、アルコール消毒液が消え失せ、ネットでは高値で取引されていた。またうがい薬が効くという嘘か誠かわからないような治療法が世間に知れ渡ると、これもお店から入手困難となった。ワクチンが開発されると徐々に落ち着きを取り戻し、概ね2種類のワクチンのうち、どちらを選ぶかが話題になるというのも、今ではなんだか懐かしい感がある。今から思えば滑稽な事態も多々あったが、当時は皆、真剣だった。これをパニックと呼ばずになんであろうか。
今では新型コロナウイルスに関する報道もほとんど聞かれなくなり、品不足に陥っているものは見当たらない。もちろん、一般的に話題にされなくなっただけでウイルスが完全に消滅したわけではなく、疾患を持っている人はワクチンを接種するなどで警戒している状況に変わりはない。
アイ・アム・レジェンド あらすじ
ウィル・スミス主演の映画「アイ・アム・レジェンド」は2007年に制作された。はしかウイルスを遺伝子組み換えして開発されたがん治療薬に異常が発生。その治療薬からさらに突然変異のウイルスが発生し、空気感染した人類の90%が死亡すると言う事態。生き残った人類はダークシーカーと呼ばれ、狂暴化すると同時に光を恐れ、夜間に生き物を襲って食らうという異常な世界に。ウィル・スミス演じるロバート・ネビルは軍人で科学者という設定。世界中がパニックに陥る中、家族を失い、人類がほぼ滅亡したニューヨークで一人生き残り、孤独な生活を送りながらダークシーカーの治療薬の開発を試みる、というお話。
アイ・アム・レジェンド 予告
思い起こされる「あのころ」
新型コロナウイルスでは人類滅亡の危機までには至らなかったが当時経験した「あの雰囲気」を感じる。この映画の時代設定は2012年であり、新型コロナウイルスが登場する以前の映画である。新型コロナの頃、この映画のようなパニック状態にはならなかったが、某国では徹底した外出禁止、移動や渡航の禁止が行われたのは事実。またコロナ後とも言うべき現在、自宅勤務やリモート会議という働き方が普通になり、今でも夜間の飲食店はコロナ以前ほどにぎわっていないと聞く。混乱がなくなったとはいえ、依然とはずいぶん社会の在り方がずいぶん変化したのも事実である。疫病がここまで社会に影響したという歴史的な場面に立ち会ったことになる。
人は一人で生きていけるのか
この映画の主人公のように本当に一人になった人間はどうなるのだろうか。好きで誰もない山の中や無人島に暮らすのとはわけが違う。人と話したくても誰も答えてくれないというのはどんな心境になるのだろうか。孤独感で気が変になるかもしれない。映画でも主人公はマネキンに話しかけるシーンがある。おそらくこれも自分でどこからか持ち込んでその場に立たせておいたものなのだろう。どんなに話しかけても答えてくれるわけがない。独り言とわかっていても話さずにはいられないのだろう。人が本当に孤独感を感じたとき、無駄とはわかっていても誰かと繋がる行動をとるというがそんな心境がこの場面に現れている。
最近知ったこの映画の新事実
エンディングが2パターンあった
確かこの映画は劇場で見たのだがその時の記憶にあったエンディングと今回見たものとでは全く違っていたのだ。まさかと思い、何か自分で勘違いしているのかと思いきや、なんとこの映画、エンディングは2通りあったとのこと。劇場公開版は公開1か月前のスクリーンテストで差し替えられたものらしい。そして今回見たのは差し替え前のものと言うことになる。いやはやそんなことってあるのかと思ったが15年経過して新たに発見した新事実である。
続編の制作
2025年に「Ⅱ」が公開されるとのうわさ。今、出されている予告は下記。