思いつき話

腕時計

 努めて時計を集めているわけではなく、また特別、時計が好きなわけでもないが、どういうわけか腕時計が手元に複数ある。現在、手元にある腕時計は6個。しかも自分で買ったものは2つだけ。あとは譲り受けたり買ってもらったり。もっとも格段に値段が高いとか、ブランド品などというものはなく、ほぼすべてが普段使いレベル。

 では早速、ご紹介。

SEIKO TypeⅡ

 この時計が人生で初めて「自分の時計」として持ったもの。高校進学の記念で親に買ってもらった。当時は自分の腕時計を持つ、というのは高校生以降だったと思う。この頃はまだまだ腕時計は高価で、少なくとも自分の周りには時計を持っている中学生などはいなかった。この時計も2万円近くした記憶がある。それでも当時の標準的な金額だった。

 TypeⅡは今では当たり前になったクオーツ時計が量産品のとなったころの時計で、正確無比、というのが売りだった。同時にデジタル式の腕時計も出始めていて、デジタルはやや安めで、それでも1万5,000円ぐらいしていたように思う。

 この時計、すでに40年以上経過しているが、今でも現役である。ベルトもオリジナルそのまま。決して乱暴に扱ったことはないが、何度も落としたしぶつけもした。それでも壊れない。日本製の時計は丈夫ですね。一度だけ時針(短針)が緩んで正確に時間を示せなくなり、いよいよ来たか、と思ったが、オーバーホールに出したところ、直ってきた。時計屋さんに「どのぐらい持ちそうですかね」と聞いたところ「古いクオーツ式なので基板が壊れたらもう替えがないので直せないと思う」とのこと。果たしてあと何年、現役でいられるかな。

電池交換は5年。電池切れが近くなると秒針が2秒ずつ進む

Timex London Marathonオリジナル(Timex Triathlon T62951)

 もとはTimexのトライアスロンシリーズ。これはロンドンマラソンがケース部分にオリジナルロゴマークを入れたもの。この時計は自分で買った時計の一つ。現地のマラソンEXPOの会場で買った。ぶらぶら歩いていたら「現品限り。ただしケースも説明書もないよ!」と時計を10個ぐらい手にして叫んでいるおっちゃんにつられて買った。この時計の存在はなんとなく知っていたので、迷わず購入。記憶では日本円で2,000~3,000円ぐらいだったように思う。前年の売れ残り、というのも安い理由。これも承知で買った。

 安い割には丈夫で15年以上使っているが壊れていない。ベルトは切れたし電池交換もしているが今も現役。電池交換も自分でやっているので維持費が異常に安い。

 この時計の良いところはフェイスが小ぶりで軽く、スポーツや作業でも邪魔にならないところ。INDIGLO(インディグロ)ナイトライトというTimex独自のバックライト機能があって暗い中でも文字が見やすい。

 難点は小さい分、スタートやラップタイムを押しにくいところ。またこの時計のベルト幅が海外製に多い16㎜で、時計屋さんではまず売られていない。結果、ネット販売でしか購入できないのだ。もっとも最近は仮にサイズがあったとしてもお店で購入することなどほとんどないのであまり影響はないのだが。

小さいながら機能は十分。当時、フローラ(FLORA)というバターなどを製造するメーカーがメインスポンサーでその頃のロゴ

SEIKO SeikoMatic

 おそらく自分で持っている時計で最も製造年が古い。今となっては父親の形見のような存在で正確な購入時期はわからない。製造期間は1960年代初頭からなので60年ぐらい経過していると思う。型番は1531DE。自動巻き式で軸受に使われるルビー(人工ルビー)は30石となっている。古いSEIKOの時計についているコママークがなんとなくビンテージ感がありますね。カレンダーもついていない至ってシンプルスタイル。文字盤の外側は腐食していて秒を指すインデックス部分は見えなくなっているが、まあこれも味があるので気に入っている部分である。

 入手したときは風防(ガラス面)に蜘蛛の巣状のひびが入り、一応、動いていたがメンテナンスは必要だろうと思い、時計修理に出してみた。風防の取り換え、オーバーホールで2万円ぐらいしたと思う。

 オーバーホールの甲斐あってか、一日の誤差は数秒。自動巻き式なので使わないと止まってしまうが一日使うと翌日午前中ぐらいは動いている。

 良いところは機械式なのでメンテナンスさえすれば半永久的に使えるところ。クオーツやデジタルとは違って部品交換すれば何年でも動く。

 難点はメンテナンスにお金がかかる。3~5年に一度はメンテが必要なようで、通常のメンテでも1万円はかかるだろう。またこの時代の時計なので当然、防水は一切効かない。したがって雨の日は使えず、手洗いや汗も気を付けなければいけない。そういう面倒なところにまた良さがある。

客観的に見るとただの古ぼけた時計ですね

SEIKO KING SEIKO

 これも古い時計で製造年は1960年代後半~1970年初頭まで製造された手巻き式機械時計。これも元は父親のもの。

 現在、すでにKING SEIKOというブランドは無くなっているが当時はグランドセイコーに次ぐ高級ブランドとして売られた経緯がある。性能はグランドセイコーとほぼ同等でこの時計も世界的に正確な時計の基準を示すCHRONOMEATER OFFICIALLY CERTIFIEDの表示が許された日本初の腕時計。またこの時計の文字盤下に記されているマークは当時のSEIKOが諏訪と亀戸の2か所で製造されたうちの亀戸精工舎(第二精工舎)製造であることを示している。

 性能的には非常に正確で一日に数秒しか誤差が出ない。文字盤にあるHI-BEATというのは、わかりやすく言うと秒針の進みが細かく、高精度機能であることを示している。秒針の進みはなめらかで、クオーツの「チッ、チッ、チッ」と1秒1秒刻むような動きとは明らかに違う。

 かつてクオーツ時計が出たころ「クオーツショック」と言われ、機械式時計が絶滅するのではという危機感もあった。正確さや値段の安さを求めるならば圧倒的にクオーツが優位に立つのだ。機械式はメンテナンスなどの手間暇もあり、とっくに廃れても良いように思えるが、今ではどちらかというと熱愛者は機械式の方が多い。価格も文字盤に宝石をはめ込んだ高級時計を除けば機械式の方が高い。機械式、クオーツ式の双方を求める側に違いがあり、棲み分けができた感がある。

 機械式の魅力は人間味を感じるところだ。機械なのに人間味、というのはおかしなものだが、時として誤差が出る、完璧ではないないところに魅力を感じるのではないだろうか。

2021年にSEIKO140周年記念としてKING SEIKOの復刻版が出ている

TIMEX SAFARI

 自身で購入した時計の一つ。TIMEXは日本では今一つ知名度が低いが海外では人気がある。この時計の購入当時、SEIKO TYPEⅡの電池切れ、短針の緩みなどのトラブルがあり、そんな中でこの時計に出会った。

 TIMEXはどちらかというとデジタル式の方が注目されるが、この時計が注目を浴びたのはあるきっかけがあった。1989年の映画「7月4日に生まれて」である。この映画で主役を演じたトム・クルーズがこの時計を着用していて一躍話題になったのだ。もっとも、この時計は復刻版で当時のオリジナルではないのだが。

 使ってみるといろいろ感じるところはある。まず全体的に安っぽい感じは否めない。金額は確か1万円前後だったが、作りがプラスチック感アリアリ。またちょっと静かな室内だと秒針の「チッ、チッ、チッ」という音が異常に大きく聞こえる。INDIGLOナイトライトは便利な機能だが…。

やっぱりTIMEXはデジタル時計の方が良いですね。

オリジナルのブラウン編み込みベルトは切れてしまった

SUUNTO AMBIT3 RUN

 SUUNTO(スント)はフィンランドのメーカーで元は測量機器などを扱っていたメーカー。自身が持つ時計で唯一、GPS機能が付いている。スマートフォンアプリとBluetoothで連動してトレーニングやレース結果を保存することができる。まあ、この手の時計には一般的についている機能ですが。

電源は充電式。フル充電したのち、フルマラソンを走ると6割ぐらい消耗する。全体的にフォルムが大きく、サイズ感はカシオのGショックをイメージしてもらえばいい。小柄な方や女性には少し重い、大きいと感じるかもしれない。

 またBluetooth連動でスマートフォンに入ってくるメール、電話などのお知らせ表示も可能。この機能は一見、便利な感じもするが、返事ができるわけではないのでメールや電話が多いと鬱陶しい。しばらく使っていたが現在は機能を停止させている。

 時刻はGPSから補正するので長期にGPSを繋げないと誤差が生じるという難点はあるが、あまりそういう状況にはならないかな。

 そのほかの機能としては、バックライト、万歩計、海外で使えるデュアルタイム設定があり、別売りのハートレイトモニターを使えば心拍トレーニングも可能。

トレーニング機器としては必要十分なものだと思います。

グリーンやホワイトなどカラーバリエーションがあります
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なんべぇ
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