日本のメーカー、企業というのは本当に客対応が丁寧だな、と思う。例えば国際線飛行機に乗るとその差がよくわかる。日本の航空会社の対応は非常に丁寧でビジネスクラスに乗ると傅くような対応をする。たかが飛行機の客に対してそこまで腰を低くする必要があるのかなと思う。これはこれでやや気持ち悪いのだ。エコノミークラスだとしてもにこやかに気を配ってくるのは日本の航空会社である。
一方で海外の航空会社はというと、横柄とまではいかないが、まあ、そこまで丁寧ではない。食事を配るときでもガサツに投げてよこすのではないかと思うような振る舞いもある。このあたり、文化の違いだろうか。最近は日本にやってくるインバウンド観光客がよく口にするのも日本の接客はピカイチだ、という。日本には元々「お客様は神様」的な考えが浸透しているからだろうか。
客側の問題
とはいえ、客側にも問題がある。例えばコンビニで最も客層としての態度が悪いのはパリッとしたスーツ姿のサラリーマンなのだそうだ。店員が弁当を温めるか、箸は必要か、などの問いにも不愛想に、面倒くさそうに答えるのは大概、サラリーマン風の男なのだそう。一方でいかにも日雇い工事現場風の客は非常に愛想が良いらしく、むしろ会話が成り立つらしい。
この違いは何なのか。
おそらくはサラリーマン風の層は店員を見下している、人並み以下と見ているのだろう。いうなれば自分は崇高な人間であり、コンビニ店員ごときとまともに会話する気など毛頭ない、お前ら店員なのだからそのぐらいイチイチ聞かずに察してくれよ、というわけであるまいか。さらに「私は客なのだ」というおごり高ぶった思いも重なり、態度に現れる、というわけである。最近のコンビニは外国人のアルバイト店員も多く、この手の客はますますつけあがる傾向にあるように思う。
一方で日雇い工事現場風の客と店員は、どちらかというと同胞であり同じ釜の飯は食っていないがなんとなくそんな気分で、客からみると
「君らも大変だよなぁ、見ず知らずの人に頭を下げて愛嬌をふりまかなければ。金のためとはいえ大変だよなぁ」という意識があるのではなかろうか。
接客側ももっと対等になっていい
だいたいコンビニや居酒屋の店員に偉そうな態度を取る奴にろくな人間はいない。そういう人間は日常で鬱積したものを悶々と抱え、自分の存在意義を示したいがためにそういった態度をとる。そんな人間までお客様扱いする必要は全くない。
そういえば最近、航空会社でもあまりに航空安全に支障を来す行動をとる客の場合は飛行機から降りてもらう、ということができるようだ。以前、実際にあったがプロペラ機に乗った際、勝手に席を移動したカップルが乗務員に元の席に戻るように言われても言うことを聞かず、なかなか飛ばなかったことがあった。プロペラ機は飛行機の重量バランスを考えて席を決めている。勝手に席を移動されると安全運航に支障が出るのだ。今なら即刻、飛行機から降ろされ、場合によっては逮捕だろう。
お客様も神様ばかりではないのだ。