Toys in the attic(邦題:闇夜のヘヴィーロック) 1975年
エアロスミス3枚目のアルバム。入っている曲の多くが後のライブ等でも演奏される。スティーブン・タイラーのシャウト、特徴的なイントロ、独特のギターリフレイン、エロエロな歌詞など、エアロスミスそのものを体現したと言って良い。
このアルバムはビルボード11位まで上昇。「Walk this way」「Sweet emotion」はシングルカットされ、デビュー初のシングルでその後に廃盤になっていた「Dream on」も再販。また日本では1年遅れでアルバム「Get your wings」が発売されるなど、徐々に知名度を上げていった。
1.Toys in the attic
アルバム冒頭に相応しいシンプルなロックンロール。アップテンポのリズムにトム・ハミルトンのベースラインが小気味良い。
2.Uncle Solty
良い意味でエアロスミスらしくない。なんだかビートルズを思わせる曲調。こういう曲も作れるんだなと。作曲はベースのトム・ハミルトン作曲。ただ歌詞はエロさ全開。さすがスティーブン・タイラーですね。良い子には聞かせられません!
3.Adam‘s apple
タイトル同様に旧約聖書のアダムとイブのような歌詞だが彼らが真面目にそんな意味を持たせているのだろうか(そうは思えない…)。特徴的なギターリフレインはもはやエアロスミスの代名詞。
4.Walk this way
この曲は当初からファンの間ではメジャーな曲だったが、一躍世に知らしめたのは1986年にヒップポップグループのRun-D.M.Cがカバーしたことによる。エアロスミスメンバーもこのカバーを大歓迎。この曲が彼らを音楽界の重鎮に押し上げていった機動力と言って良い。
5.Big ten inch record
R&Bで有名なフレッド・ワイズマンテルのカバー曲。こういう曲を採用するところはデビュー当初から変わらない。「10インチレコード」が何を指しているかご想像にお任せするが約25cmって相当な大物。
6.Sweet emotion
特徴的なイントロを聞いただけでそれとわかる曲。ライブではジョー・ペリーがトークワウ(トークボックス)を使ってコーラスに入る。
7.No more no more
軽快なロックンロール。ジョー・ペリーのギターがらしさ全開。
8.Round and round
前曲から一転、超ヘビーロック。作曲はブラッド・ウイットフォード。彼らの曲の中ではここまで重量感のある曲はあまりない。ブラッド・ウイットフォードは自身「あまり曲を書くタイプではないけどリフやアイディアを考えるタイプ」という。まさに。
9.You see me crying
スティーブン・タイラーとドン・ソロモンとの共作。この頃からこういったバラード曲を1曲は挿入するようになった。バンドメンバーだけの演奏にこだわらず、オーケストラまで使っている(制作予算が増えた?)。ただのウルサいロックだけじゃないぜ、みたいな音楽的な広がりを感じる。
改めてアルバムを通して聞くとよくわかるが、演奏もしっかりしていて各曲の構成、制作ディレクションがはっきりしている。作り手の迷いがない分、聞いている方もモヤモヤした感じを受けずに素直に聞ける。このアルバムでビジネス的にも成功した。この成功が次の伝説的アルバム「Rocks」制作へと繋がっていく。
エアロスミス 温故知新Vol.4
エアロスミス 温故知新Vol.2